咳嗽(せき、たん)
咳嗽
咳・・・咳は痰なくして声あるをいう。肺気傷れて清ならざる也。
嗽・・・嗽は声なくして痰あり。脾湿動きて痰をなす也。
咳嗽・・・咳嗽は痰ありて声あるをいう。蓋し肺気傷れ脾湿動くにより咳して嗽をなす也。
療治の大概より
咳嗽 スバブキナリ
一咳ハ所謂、痰ナクシテ声アリ
肺気傷レテ清カラズ
嗽ハ、声ナクシテ痰アリ
脾湿動キテ痰ヲ生ズ
咳嗽ハ痰アリ声アリ
天突、三ノ兪、下脘、上脘、扶突、章門(各補)
百会(頭痛ニ隹シ)
鍼灸遡洄集より
冷風痰は、風冷に遇ふて即ち発す、痰多く喘嗽す。
痰嗽は、嗽動す、すなわて痰聲有り、痰出づれば嗽止む。
肺脹は、嗽するときは則ち喘満気息なり。
咳嗽が胸膈に結痛する者は痰結なり。
アサ、嗽多きものは胃中の伏火なり。
上気咳逆短気風勞には、肩井に灸すること百壮し浅く刺す。
上気咳逆短気胸満唾多く冷痰には肺兪に灸すること五十壮す。
風寒火労痰肺脹湿には、然谷、曲沢、前谷、肝兪、期門に灸刺す。
咳逆上気して嘔沫を吐には、列缺、経渠を浅く刺す。
面赤く、熱嗽するには、支溝、手三里を浅く刺す。
面浮腫し拘急喘満するには、崑崙、解溪を深く刺す。
鍼灸重宝記より
咳嗽・・・しわぶきせきたぐる
咳は、声ありて痰なし、肺気傷れて涼しからず。
嗽は痰ありて声なし脾湿、その痰を動するゆなり。
あるひは、風寒湿熱の邪に感じ、あるひは、陰虚火動によって労咳をなし
水うかれて痰となり、みなよく咳嗽せしむ。
肺兪、肩井、少商、然谷、肝兪、期門、行間、廉泉に灸し、すべて不容、粱門に針す。
肺咳は大淵、脾咳は太白、腎咳は太溪
多く眠るには三里
面赤く、熱咳には支溝